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コインパーキング経営は儲かる?初期費用・利益・年収と、土地なしで始める方法

駅前の細い土地に、車が3台か4台だけ停まっている。無人の精算機が一台あって、夜でも青白く光っている。ああいう場所には持ち主がいて、誰かが収益を得ているわけです。

コインランドリーと違って、コインパーキングには建物がいりません。土地を平らにして、ロック板と精算機を置けば始められる。初期費用も300万円ほどで、桁が一つ小さい。

ただし計算してみると、この投資はまったく別の性質を持っていました。設備の話ではなく、土地の話でした。

同じ設備、同じ売上でも、土地を持っているかどうかで実質利回り17.8%と、年13万円の赤字に分かれます。真ん中はありません。

土地があれば17.8%、なければ赤字

5台分のコインパーキングを想定して試算しました。

図1 同じ設備・同じ売上でも、土地代を払うかどうかで結論が逆転する5台規模/初期費用300万円
土地を持っている場合
17.8%
実質利回り
年間売上
180万円
年間経費
66万円
更新積立
▲37.5万円
税引後の手取り
約53万円
土地を借りる場合
▲13万円
年間の赤字
年間売上
180万円
年間経費
156万円
更新積立
▲37.5万円
差引
▲13.5万円

売上も設備も同じです。違うのは土地の賃料120万円だけ。この1項目で黒字と赤字が入れ替わります。

コインパーキング経営とは、実質的に土地の運用方法の話であって、設備投資の話ではありません。

300万円で5台分始められる

項目金額備考
精算機(フラップ式)120万円1台で全区画を管理
ロック板 5台分35万円1台7万円前後
看板・照明50万円
アスファルト舗装・区画線100万円舗装済みなら不要
合計約300万円

コインランドリーの2,000万円と比べると、桁が一つ違います。建物を建てないので当然ではあるのですが、この参入障壁の低さが、そのまま競争の激しさにつながっている面もあります。すぐ隣に別の業者が出してくることは珍しくありません。

すでに舗装された土地なら、舗装費の100万円は不要です。逆に造成が必要な土地では200万円以上かかることもあります。

1台が月3万円を生む。ただし都心は10万円

コインパーキングの売上は、1台あたり月2万〜5万円あたりが一般的な水準です。5台なら月15万円、年180万円という計算になります。

もっとも、この幅は立地によって簡単に外れます。都心のオフィス街や繁華街なら1台で月8万〜10万円に届くこともありますし、住宅街の外れなら月1万円を切ることもある。

売上を決めるのは、周辺に「短時間だけ車を停めたい人」がどれだけいるかです。商業施設、病院、飲食店、駅。こうした施設が近くにあり、しかもそれらの施設が十分な駐車場を持っていないという条件が重なったときに、初めて数字が立ちます。

近隣の月極駐車場に空きが目立つエリアは、そもそも駐車需要が足りていないサインです。ここは実地で歩いて確認すべきところです。

家を壊すと、固定資産税が跳ね上がる

土地を自分で持っている場合の経費です。

項目年額
電気代12万円
機器の保守・メンテナンス12万円
集金・清掃12万円
固定資産税30万円
合計66万円

ここで注意が必要なのは固定資産税です。

住宅が建っている土地には住宅用地特例が適用され、固定資産税が最大6分の1に軽減されます。ところが駐車場は建物ではないため、この特例が使えません。

古家を解体してコインパーキングにすると、土地の固定資産税が跳ね上がります。「使っていない古家があるから壊して駐車場に」という話はよく聞きますが、税額の変化を織り込まずに収支を組むと、想定が崩れます。事前に自治体で確認しておくべきところです。

売上180万円から経費66万円を引くと、営業利益は年114万円。初期投資300万円に対する表面利回りは38%になります。かなり高い数字です。

ただしここから、精算機とロック板の更新積立を引きます。これらは7〜10年で更新が必要になるため、年37.5万円。残りは76.5万円。税金3割を引いて、手元に残るのは約53万円。300万円に対して17.8%という計算です。

土地を借りた瞬間、年13万円の赤字になる

土地を持っていない人向けに、借りた場合も計算しました。

月10万円で土地を借りると、年120万円の賃料が発生します。固定資産税は地主の負担になるので、経費は 66万円 − 30万円 + 120万円 = 156万円。

売上180万円から156万円を引くと、営業利益は年24万円。そこから機器更新の積立37.5万円を引くと、年13万円のマイナスになります。

売上を月3万円ではなく月5万円まで引き上げられれば黒字化しますが、その水準の立地の土地は、賃料も月10万円では借りられません。

土地を借りてコインパーキングを運営するのは、原理的にできないわけではありませんが、条件がかなり絞られます。相場より安く土地を借りられる縁故があるか、複数拠点を運営して管理コストを分散できる事業者か。個人が単独で始める形としては、数字が合いにくいのが実情です。

300万円を投じても、受け取る額は変わらない

土地を持っている人には、もう一つ道があります。運営会社に土地ごと貸してしまう方法です。

図2 自己経営と一括借上げの比較5台規模・平均的な立地の場合
自己経営
76.5万円
年間の手取り(税引前)
初期費用
300万円
手間
集金・清掃・故障対応
売上変動
自分で負う
一括借上げ
60〜84万円
年間の賃料収入
初期費用
0円
手間
なし
売上変動
負わない

一括借上げの賃料は駐車場収入の3〜5割程度が目安。5台規模なら月5万〜7万円あたりになります。

300万円を投資して手間を負っても、受け取る金額はあまり変わりません。

もちろん立地が良く売上が伸びる土地なら、自己経営の上振れは大きくなります。ただ平均的な立地であれば、一括借上げのほうが合理的に見えるケースは多いはずです。

検討するときは、まず一括借上げの査定を取って、それを上回る自信があるかどうかで判断するのが現実的だと思います。

失敗しても、傷は浅い

コインパーキングの失敗は、たいてい静かに進みます。

近隣に新しいコインパーキングができる。あるいは近くの商業施設が自前の駐車場を拡張する。それだけで稼働率は下がります。値下げで対抗すれば売上はさらに減ります。

売上が月15万円から月8万円に落ちた場合、年96万円。経費66万円を引いて年30万円。機器更新の積立37.5万円を引けば赤字です。

ただしコインランドリーと比べれば、傷は浅く済みます。初期投資が300万円と小さく、設備の撤去も比較的簡単だからです。土地を持っているなら、駐車場をやめて別の用途に切り替える判断もできます。

失敗したときの損失が限定的である。これはこの投資の数少ない利点です。

設備を撤去すれば、土地は元に戻る

設備の撤去費用は数十万円程度で、原状回復も舗装を残すなら大きな負担にはなりません。月極駐車場に転換する、土地を売却する、建物を建てるといった選択肢も残ります。

コインランドリーの機器と違い、コインパーキングの設備は土地の使い道を縛りません。ここは評価してよい点です。

17.8%の正体は、土地の値段

図3 実質利回りの比較いずれも税金・更新費用を差し引いた後の数字
コインパーキング土地あり・300万円 17.8%
太陽光発電中古・500万円〜 6〜20%
トランクルーム土地あり・400万円 6.1%
コインランドリー2,000万円・月20〜30時間 5.25%
不動産クラウドファンディング1万円・手間なし 3〜8%
J-REIT数万円・手間なし 4〜5%
個人向け国債1万円・元本割れなし 0.5〜1%

17.8%は、今回測定したなかで最も高い数字です。土地を持っている人にとって、コインパーキングは有力な選択肢になります。

ただし、この17.8%には注意が必要です。

これは「300万円の設備投資に対する利回り」であって、土地の価値を含んでいません。土地の評価額が3,000万円だとすれば、土地込みの利回りは1.6%程度まで落ちます。

土地をすでに持っていて、他に使い道がない場合に限って高利回りになる。逆に、この投資のために土地を買うのは、数字の上では合理性を見つけにくいと言わざるを得ません。

これは FILE 001 コインランドリー経営 でも同じことが起きました。あちらも家賃180万円が消えれば、実質利回りは5.25%から11%前後まで跳ね上がります。実物投資の利回りは、多くの場合「土地代を払うかどうか」で決まります。

土地がない状態で年5%前後を狙うのであれば、少額から手間なく始められる金融商品のほうが、素直な選択になります。

土地がなくても、同じ利回りを取る

3〜8%想定利回り
1万円最低投資額
なし手間

コインパーキングの17.8%は、土地を持っている人だけの数字です。土地なしで年5%前後を狙うなら、少額・手間ゼロの選択肢を同じ物差しで並べました。

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6.1%実質 FILE 003 トランクルーム経営は儲かる?フランチャイズの実態 満室の数字ではなく、満室になるまでの2〜3年で決まる投資。

算定根拠

本記事の数値は、複数の運営会社・機器メーカーが公開している初期費用・売上事例をもとに独自に試算したモデルケースです。立地・規模・運営方法により結果は大きく変わります。固定資産税の取り扱いは自治体と土地の状況により異なるため、実際の税額は所在地の自治体にご確認ください。投資判断はご自身の責任でお願いします。